みなさんこんにちは。
学術部の新井芙美法です。
本日は、本会「漢方鍼医会」が外部の鍼灸師や学生に講義をさせて頂いた珍しい機会がありましたので、そのことについて記事にさせていただきます。
先日11月17日(日)は、「杉山検校遺徳顕彰会」 より「漢方鍼医会」へ講義の依頼があり、本会を代表して新井康弘先生が講義に行きました。
令和元年(2019年)第4回学術講習会「漢方はり医会の脈診と処法の実際」と称して3時間の講義でしたが、内容はかなりのボリュームでした。
内容は…
1. 自然体
2. 軽擦法
3. 脈診いろいろ 1)五臓の配当部位の確認 2)総按と単按の確認 3)菽法脈診 4)胃の気 5)祖脈 4. 季節の治療(四時の脈)
5. 選穴と尺膚診(顔色)
6. 腹診法
7. 手法
8. 治療の手順と実際(総合実技研修)
これって、本会が毎年夏に行う、夏期学術研修会のような流れですね。
いつもは2日かけて行うようなカリキュラム内容なのにそれを3時間にギューーっとコンパクトにまとめたものでした。
このボリュームを他の学会の鍼灸師の先生に説明しながら行っていくのはかなり大変そうだ。と不安と重圧で背中が丸まってお腹に頭がめり込みそうでした。(盛りすぎました。嘘です笑)
本会からは、新井康弘先生の他に総務部長・入門部講師の橋上信也先生と学術部員であります私 新井芙美法が行ってまいりました。
プロジェクターを使いながらパワーポイントで講義をしていく新井康弘先生の発表は、いつものスタイルで貫禄バッチリでしたね。
日々臨床をされている鍼灸師の先生は、ある程度治療スタイルというものがある中で、他の学会の治療スタイルというのはどのように受け止めているのだろうかドキドキしました。そんな不安はなんのその、内容も丁寧でわかりやすく、優しい口調で進む講義は、参加された鍼灸師の先生や鍼灸学生の方もメモを一生懸命取っておりました。講義の所々に康弘先生が福島弘道先生の下での修行いていた時代のお話も盛り込まれ笑いも生まれとても良い空気感で講義は進んでいきました。
休憩を挟みまして、続いて実技です。
「言うは易し行うは難し」と言ったもんですが、鍼灸の世界はまさにそれです。実技となると様々な意見が飛び交います。
経絡治療と言われると、鍼灸の世界では言わずも知れた「六十九難 虚すればその母を補え」があり、マニュアル化された治療法として、証が決まれば刺すツボも決まるようになっています。学生時代に学んだ事を思い出すと、そんな鍼灸って簡単なものか?マニュアル化したものだとなんだかつまらないな。などと学生時代の小生意気な記憶が蘇ります。
しかし漢方鍼医会の経絡治療はそれだけではありません。
我々「漢方鍼医会」が行う「漢方はり治療」とは、漢方の医学理論に基づき病体の病理・病証を把握し、脉状と四診法との整合によって「証」に繋げ、鍼灸の補瀉法にて生命力強化を目的とした治療法である。と言う定義があります。
ここが肝心要であります。
本会が治療を行う上で大切な要素、脈を診る時の指の当て方や動かし方の繊細さ、ツボを取る時の姿勢や指の当て方の丁寧さ、病因病理病症を理解する四診の奥深さなど指導をしながらお話をするととても興味を持って頂き、お酒も飲んでいないのにととても熱く鍼灸の話ができました笑
実際1本の鍼、1つのツボで肩のこわばりやお腹の固さや冷え、脈の変化なども理解できると納得していただけたみたいです。
やっとホッとすることができましたが、熱が入りすぎて喉カラカラでした。(おかげでこのブログ用に写真を撮ることをすっかり忘れていました。。。)
学生向きと言うよりは、かなり鍼灸師向けの大ボリュームかつ頭フル回転の講義となってしまったのは今後の課題とさせていただきたいなと思います。
自分としてもまたいろんな事を吸収することができた一日でした。
またこのように外部へ講義する機会を楽しみに日々勉強をして備えていきたいと思います。
ではまた!
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