2022年度
(1)入門部研修計画 入門部担当 谷内孝暢
令和4年度は入門部2年目になります。1年目は「臓象論」を中心に、五臓六腑の生理と病理、病症と治療法を学んでいきました。2年目では「脈診」「診察法」「病因論」「選穴法」を学び、より実践的な臨床を身につけていきます。実技では接触鍼の補瀉法、脈診法を深め、小里式による実技を行い、それぞれご自身のイメージした治療法を身につけて行きます。
(2)研究部研修計画 研究部担当 隅田真徳
研究部の今年度のテーマは「季節の中での漢方鍼治療」「陰陽脈診」と「接触針の補瀉法」です。
「季節の中での漢方鍼治療」では過去数年にわたり五季・六気を時間軸とした『内経』『難経』の記述を学習してきました。本年も『臓腑経絡詳解』からの日本における季節の鍼灸治療も交えながら研究していきます。また『難経本義諺解』の9難にある「諸陽の脈は皆な熱と為(し)、諸陰の脈は皆な寒と為(す)。・・蔵府の病(やまい)、是れに由りて之れを別つ。」は大変実践的な脈診法と思われます。昨年12月以来各班において研修を重ねてきましたが、今年も一年を通して陰陽脈診の実践を重ねていきます。
補寫に関しては昨年に引き続き「接触針の補寫法」の確立を目指します。先ずは終始篇の記述に基づき「長息法」、さらに李時珍(1518-1593)の解釈に基づき「泥丸功」を行います。臨床に際しても改めて泥丸宮を意識することで指先まで十分に精気を巡らせた上で施術に入る事を研修します。そうすることで脈づくりが容易になるばかりでなく術者自身の健康を長く守る事になるからです。
標治法では昨年に引き続き子午治療を実技の班の中で行います。会得した先生から機会を捉えて実践し、この治療の普及に心がけてください。奇経治療も学術部においてさらに実戦的な内容を紹介していきます。
10月の外来講師は関西苞徳会の会長である福井仁照先生による「六気の治療(仮題)」を予定しています。関西苞徳会は本会の草創期に幾度も講演して頂いた八木素萌先生の後継者の方々によって運営されています。本会同様に原典を重視した季節の治療を行っています。大変勉強になることと思います。
2022年度 年間カリキュラム
(1)入門部
4月
10時〜 第29回漢方鍼医会 定期総会
10時30分〜 新会長講演 漢方鍼医会会長 新井敏弘
5月
午前:「心・心包の生理・病理・治療」 講師 平井貴大 司会:橋上信也
午後: 実技
6月
午前:「脈診」 講師 二木清文 司会 谷内孝暢
午後: 実技
7月
午前:「診察法」 講師 浅井利浩 司会 平井貴大
午後: 実技
8月
休み
9月
午前:「病因論」 講師 水戸尚子 司会 谷内孝暢
午後: 実技
10月
午前: 実技
午後:外来講師公演
「未定」
講師 関西漢方苞徳会会長 福井仁照先生 司会 学術部
11月
午前:「選穴法」 講師 谷内孝暢 司会 平井貴大
午後: 実技
12月
午前:「討論会」 講師 司会
午後:
2月
午前:「標治法」 講師 橋上信也 司会 谷内孝暢
午後: 実技
3月
午前:「接触鍼の補寫法・季節の治療」 講師 隅田真徳 司会 橋上信也
午後: 実技
(2)研究部
4月
10時〜 第29回漢方鍼医会 定期総会
10時30分〜 新会長講演 漢方鍼医会会長 新井敏弘
5月
「季節の治療」 講師 福島志乃 司会:井上美枝
「耳疾患の治療」 講師 新井康弘 司会:井上美枝
6月
「奇経各論1」 講師 新井芙美法 司会:田村佳津子
「養生法」 講師 水戸尚子 司会:田村佳津子
7月
「黄帝内経にもとづく難経」 講師 斉藤充 司会:中里康章
「睡眠障害について」 講師 斉藤太誉 司会:中里康章
8月
休み
9月
「鍼灸の歴史、漢方医学の基本概念」 講師 隅田真徳 司会:関野玲子
「未定」 講師 青島崇裕 司会:関野玲子
10月
午前: 実技
午後:外来講師公演
「未定」
講師 関西漢方苞徳会会長 福井仁照先生 司会 学術部
11月
「外来講演振り返り」 講師 関野玲子 司会 大高達雄
「奇経各論2」講師 新井芙美法 司会 大高達雄
12月
午前:「討論会」 講師 司会
午後:
2月
「治療の実際、選経選穴」 講師 隅田真徳 司会 杉浦幸子
「未定」 講師 高見千春 司会 杉浦幸子
3月
「討論会振り返り」 講師 谷内孝暢 司会
「治験発表」 講師 安原瑞希 司会
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